てきとう日記

てきとうです

Public enemy NO.9

 ブレイディみかこ氏の『ワイルドサイドをほっつき歩け』はかなり面白かった。登場するのはおっさん。どうやら「ハマータウンの野郎たち」だったおっさんに焦点が当たっている。自分も初めて知ったが「ハマータウンの野郎たち」は社会学の有名な研究であるらしく「なんでヤンキーは反抗的なくせしてガテン系という社会に迎合する仕事を選ぶのか」的なやつらしい。要は、この本は昔ヤンチャしていた労働者のおっさんが主役のエッセイ。
 個人的にはスタイル・カウンシルが好きなので、作中に登場するのはスタカンのファン層のおっさんかなあ…と想像した。スタカンはポップで聴き心地の良い音楽をやっておりかなり好きなのだが、中心人物のポール・ウェラーは結構な左翼で労働者の団結を歌っていた、みたいなことは知っていた。「パブリック・エネミー・ナンバー9」とか歌っておるのだが、日本で言うと「永田町は日本国民の敵だ!」的な歌詞。その支持層の労働者がこんな感じなのか〜ってのを知るとっかかりを得た感じで嬉しかった。

Walls Come Tumbling Down

Walls Come Tumbling Down

その辺のことはどうでもいいんだが、かなりオススメな本。面白さは文章じゃ語りきれん。
ブレイディみかこ氏は書き手として嫉妬してしまう。階級闘争や好きな音楽を薦めたいと思って書いているのかは知らないが、読んでいて面白いのでどっちも気になってしまう。俺もハロー!プロジェクトの書き手となるか…*1
・コミュニティは大事だと思う。作中ではおっさんコミュニティ内での出来事が中心に描かれる。日本だと町内会とか商工会的な感じだろうか…。行動的なおっさんが人気者になっていたりして良い。あとはサッチャーと争ったであろう世代のおっさんたちの行動力が良い。上の歌の「government and system fall because the unity is powerful ……」的な空気感をリアルタイムで感じでいたんだろう。そういう心意気は自分も持ちたい。
・おっさんの行動原理の背景にある英国の社会背景を平易に説明してくれているので、良い。日本はよく「もう尾張だよ猫の国」と言われがちだが、諸外国と比べてみてもいいんじゃないの?と思わせる。(ただ、英国のNHSとかいう医療費タダ制度は凄かったようだ。今も無料だが、診察してもらうハードルが高すぎてオワコンらしいが…というか、3割?負担で医療を受けられる日本の方がよっぽど良くなっている。)
・俺にスタイルカウンシルを思い出させてくれてありがたい。ポール・ウェラーのライブ映像を調べたら格好よく老いていた。格好よく老いたいものである。

 

近況

・簿記二級は事務処理が多くて面倒くさすぎる。電卓買うた。
・最近寒い。路面が凍結していて、カーブでスピンしかけた。後輪駆動車だから気をつけないとマジで事故る。カーブ中はブレーキ踏まない、アクセルも踏みすぎない。FRはアクセル踏んだ方が曲がるので、カーブ中にアクセル踏むのがオモロくて癖になっている。危ない。
・研修開始までに二級取りてえなあ。
・適当に自然に触れると気晴らしになる。マイクロツーリズム的に滝を見に行ったりしている。

 

*1:最近は我が軍で知られるラテン語さんが新書を出していた。彼/彼女のように自分の専門を語りつつ「実はこれ好きやねん」とちょい出しするのが適切な「布教」である。https://twitter.com/latina_sama/status/1733013113203753122