てきとう日記

てきとうです

三体めっちゃオモロかったで

ついに文庫化された『三体』読みました。単行本の時にこのムーブメントに乗るべきでした。これは面白い。

SFとしての面白さは芸の広さ。物理、宇宙、工学、気候、IT……とほとんどのサイエンス分野が登場するため、(文系の自分にとっては)めちゃくちゃ面白い。自分が一切知らないことってのは面白い。そんでもって、芸の広さは舞台設定にも表れていた。最初は文革で登場人物の父が殺害されるシーンから入る。少し読み進めると、始皇帝兵馬俑コンピューター(兵士が2進数を実演)が登場する。いやどういうことやねん*1

こんなふうに書くと、読みにくいハードなSFなんじゃないかと思うが、全然そんなことはなかった。映画で出てくるような「第一印象がサイアクだが仕事のできる奴」みたいなのが登場する。キャラが立っているということです。展開もまた退屈ではなく、事態が動くときは手に汗を握るシーンばかり。ネトフリでの映像化が予定されているようだが、めっちゃ面白くなると思う。(その反面、構成がダレがちなドラマではなく映画化して欲しいという気持ちもある。)

 

読みやすくありながら、人間を描いていたのも良かった。自分はクンデラという共産圏出身の作家が好きだが、共産圏で過ごした人間の悟りなのか知らないが「人間は歴史に翻弄される小さい存在である」という感じの世界観が好きである。三体にも、少しだけあった。終盤に文革のシーンを回収していたのが良かった。今後、出てくることはないと思うけど。

 

こんなにオモロいエンタメ小説が1000円ちょいで買えるなんて、ベストセラー万歳‼️
なお、同作者の短編集『流浪地球』『老神介護』(どちらも角川文庫)は薄いのに同じくらいの値段です*2。とりあえずハヤカワで出ている『円』を買うのが吉。

 

 

漏れの近況

課題に着手した。
文章の枠組みが定まらなくて、ずっと悩んでいる。それさえ決まれば後は書くだけなんだけど。新しいことを始めた時って大変だよね(当たり前)。でも、面白いっスね。これで食っていくわけですからね。仕事上の技術を虎視眈々と磨いていきたいっスね。

*1:特に自分の場合、兵馬俑コンピューターの場面だけ読んだことがあった。著者の短編集『円』において「三体から抜粋」という形式で載っていたのである。この物語に始皇帝がどうやって出てくるんだ?(嘘なのでは?)と思いながら読み進めていた。

*2:なんで角川やねん。三体が売れているのでライセンスを無理やり取った感がある。ハヤカワで出してくれよ。笑。そのうち買うと思うけどね。